歯並びの乱れは、見た目の問題だけでなく、睡眠や全身の健康にも深く関わることをご存知ですか？
特に成長期の子どもは、睡眠の質や呼吸の仕方が顎の発達や歯並びに大きく影響します。今回は、歯並びと睡眠の関係、家庭でできるチェックポイントをご紹介します。

■ 1. 口呼吸と歯並びの関係

寝ているときに口で呼吸をしていると、舌の位置が下がり、上あごが十分に広がらず歯列不正を招くことがあります。

• 典型的な症状：前歯が前に出る、すきっ歯、上顎が狭い

• 影響：歯並びだけでなく、鼻呼吸ができないことで睡眠の質の低下やいびき、無呼吸のリスクが増えます

■ 2. 睡眠の質と顎の成長

成長ホルモンは主に深い眠り（ノンレム睡眠）の間に分泌されます。
口呼吸やいびきがあると、眠りが浅くなり成長ホルモンの分泌が不十分になることがあります。
その結果、顎の骨の発達が不十分になり、歯並びが乱れるリスクが高まります。

■ 3. 家庭でできるチェックポイント

お子さまの睡眠や呼吸習慣を観察するだけで、早期に問題を見つけることができます。

1. 寝ている間に口を開けている

2. いびきをかく

3. 夜中に何度も起きる

4. 朝起きたときに口が乾いている

5. 集中力や日中の眠気が強い

これらの兆候がある場合、矯正や呼吸改善の専門医に相談することが大切です。

■ 4. 改善方法の例

• 鼻炎やアレルギーの治療で鼻呼吸を促す

• 舌や口の筋肉を鍛える「MFT（口腔筋機能療法）」

• 成長期の矯正治療で顎の発達を助ける装置を使用

これらの方法は、歯並びだけでなく睡眠の質も改善できるため、一石二鳥の効果があります。

■ 5. まとめ

歯並びの乱れは、単なる見た目の問題ではなく、睡眠や呼吸の質、全身の成長にも影響する重要なサインです。

• 口呼吸やいびきがある子どもは、早めのチェックが大切

• 睡眠の質を改善することが、健やかな顎の成長や歯並びにつながる

• 矯正やMFTなどの適切な治療で、歯並びと睡眠を両方サポートできる

睡眠の観察は家庭でも簡単にできるため、日常生活の中で注意して見守ることが大切です。
早めの対応が、将来のきれいな歯並びと健康につながります。