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歯並びを守る最後のステップ──矯正後の「保定」と後戻り対策の重要性

「長い矯正治療が終わった!」「やっと装置が外れてスッキリ!」──矯正治療を終えた多くの方が、そんな開放感を感じることでしょう。しかし、実はそこがゴールではありません

矯正治療で整えた歯並びを将来にわたって維持するための重要なステップ、それが「保定(ほてい)」です。


◆ なぜ矯正後に「後戻り」が起きるのか?

矯正治療で動かした歯は、歯を支える骨や周囲の組織がまだ安定していない状態です。そのため、装置を外してそのままにしておくと、**歯は元の位置に戻ろうとする力(後戻り)**が働いてしまいます。

また、以下のような要因も後戻りに影響します:

  • 舌や唇のクセ(舌癖・口呼吸)

  • 親知らずの圧力

  • 成長や加齢による顎の変化

  • 噛み合わせの微妙なずれ

これらを防ぐために必要なのが、「保定装置(リテーナー)」の使用です。


◆ 保定装置(リテーナー)の種類

保定装置には、いくつかのタイプがあります。患者さんのライフスタイルや治療内容に応じて適切なものが選ばれます。

① マウスピース型(クリアリテーナー)

透明な取り外し式の装置で、見た目が気にならず、装着感も良好です。
お手入れもしやすく、就寝時中心の使用が基本です。

② ワイヤー型(ホーレータイプ)

プラスチックとワイヤーで構成された取り外し式の保定装置。
やや目立ちますが、長期間の使用に適しており耐久性も高め。

③ 固定式(フィックスタイプ)

前歯の裏側にワイヤーを接着するタイプで、取り外し不要。
装着忘れの心配がなく、特に前歯の後戻り防止に効果的です。


◆ 保定期間はどのくらい必要?

一般的に、**矯正期間と同じくらいの年数(約2〜3年)**の保定が推奨されます。特に治療直後の1年程度は「後戻りのリスクが最も高い時期」とされ、毎日リテーナーを装着する必要があります

その後、歯が安定してくれば徐々に使用時間を減らし、最終的には「就寝時のみ」や「週に数回」といった維持段階に移行することが可能です。

しかし、保定は一生続けるつもりで取り組むのがベストといわれるほど、長期的な管理が大切です。


◆ 後戻りを防ぐためのポイント

  1. リテーナーを指示通りに使う
     「ちょっとだけ休もう…」が後戻りの第一歩。サボらず着けましょう。

  2. リテーナーの破損・変形に注意
     変形したリテーナーは効果が下がります。異常を感じたらすぐ歯科医院へ。

  3. 口腔習癖の改善
     舌で前歯を押すクセ、口呼吸、爪かじりなどは後戻りの原因になります。

  4. 親知らずのチェック
     埋まっている親知らずが押し出してくると歯列が乱れることがあります。必要に応じて抜歯を検討します。

  5. 定期的なチェック通院
     数ヶ月に1度は歯並びやリテーナーの状態を確認し、必要があれば調整を行います。


◆ まとめ:保定は「最後の治療」ではなく「未来への投資」

保定期間をどう過ごすかによって、矯正治療の結果が一時的なものになるか、一生の財産になるかが決まります。

せっかく時間と費用をかけて整えた歯並び。美しさと健康を守り続けるために、保定という習慣を大切にしましょう。

「もう装置は外れたから安心」と思った方こそ、ぜひ今日から保定の意識を持ち直してみてください。

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