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上顎の床矯正治療について
小児矯正の中でも、拡大床と呼ばれる取り外しの装置を用いた「上顎の側方拡大」は、近年とくに注目されています。
上顎の横幅が狭いと、永久歯が正しく並ぶスペースが足りず、叢生(デコボコ)や交叉咬合(上下のかみ合わせのズレ)を引き起こすだけでなく、呼吸や姿勢、発育にも悪影響を与えることがあります。
拡大床は、取り外し可能な装置に内蔵されたスクリューを保護者が定期的に回し、上顎の骨を少しずつ左右に拡げていく矯正方法です。特に6〜12歳の成長期に行うことで、骨格レベルでの改善が期待できます。
実際、当医院での矯正例を踏まえてどのようなものか説明していきます。
【症例1】7歳・女児:乳歯列期の側方拡大
主訴は「前歯が出てこない」。診断の結果、上顎の横幅不足により、中切歯の萌出スペースが確保できない状態でした。拡大床を用い、側方への拡大を実現。その結果、中切歯は自然に萌出し、将来的な本格矯正を回避することができました。顎の成長と乳歯の抜け替わりがスムーズに進む時期だったため、最も理想的なタイミングでの介入といえます。
【症例2】11歳・男児:混合歯列期の交叉咬合と機能的問題
奥歯の一部に交叉咬合が見られ、さらに口呼吸と軽度のいびきも併発。歯列だけでなく上気道の狭さも関係していると判断し、拡大床を導入。約6ヶ月間で上顎を5.5mm拡大した結果、咬合関係が正常化し、口呼吸から鼻呼吸へと移行しました。保護者からは「いびきがなくなり、睡眠中の姿勢も改善した」との声も寄せられました。
矯正による機能改善
上顎の側方拡大は、単なる見た目の改善にとどまりません。舌のポジションが安定し、口呼吸から鼻呼吸への移行が促されることで、姿勢や学習時の集中力にも良い影響を与えるという報告が多数あります。実際、側方拡大後に小児のアレルギー性鼻炎や口腔習癖の改善が見られることもあります。
まとめ
拡大床による上顎側方拡大は、成長期という限られた時期にのみ得られる“骨格的改善”を可能にする貴重な矯正法です。
早めの的確なタイミングで導入すれば、将来の大掛かりな矯正や抜歯を避けられる可能性も高まります。
子どもの歯並びの悩みは、早期発見と専門的な判断が鍵です。「まだ様子を見ましょう」と言われることも多い時期ですが、成長は待ってくれません。気になる症状があれば、ぜひ早めに専門医の評価を受けてみてください。
何か疑問、お困りのことがございましたら、お気軽に当院スタッフまでお尋ねください。
土日も夕方5時まで診療いたしております。
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井高野あおぞら歯科
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