〜慌てず落ち着いて対処しましょう〜
矯正治療中、ワイヤーやブラケット（歯に付ける小さな金具）が外れたり、ワイヤーの先が頬に刺さって痛むことがあります。
突然のトラブルに驚いてしまうかもしれませんが、慌てずに応急処置を行えば大きな問題になることはありません。
今回は、よくある装置のトラブルとその対処法をわかりやすく解説します。
1. 矯正装置が外れたとき
ワイヤー矯正では、食事中の硬いものや粘着性のある食べ物、あるいは強く歯を磨いたときなどにブラケットが外れることがあります。
● 応急処置
外れたブラケットが完全に取れてしまった場合は、無理に戻さず保管しておきましょう。
ティッシュに包んで持参すると、再装着がスムーズです。ワイヤーにぶら下がったままの状態なら、そのまま放置せず、歯科医院に早めに連絡してください。
むやみに引っ張ると、ワイヤーが変形して治療が後戻りする恐れがあります。
● 注意点
外れたまま放置すると、歯の動きが止まったり、ずれて噛み合わせが悪くなる可能性があります。
なるべく数日以内に再装着することが大切です。
2. ワイヤーが頬や唇に刺さるとき
矯正治療の途中で歯が動くと、ワイヤーの長さが変化し、端が飛び出して頬の内側に刺さることがあります。
痛みや違和感が強い場合は、次の方法を試しましょう。
● 応急処置
清潔な手で、ワイヤーの先端をやわらかく曲げて頬から離す（ピンセットなどを使用）
矯正用ワックスや清潔なろうそくのろうを小さく丸めて、刺さっている部分に貼る
痛みが強い場合は、患部を冷やすことで炎症が和らぎます
※ただし、ワイヤーを自分で切ったり抜いたりするのは危険です。必ず歯科医院で処置してもらいましょう。
3. 口内炎や傷ができたとき
装置やワイヤーが頬に当たって口内炎や小さな傷ができることもあります。
その際は以下のケアが有効です。
食後にうがい薬や塩水うがいをして清潔に保つ
痛みが強ければ、市販の口内炎用軟膏を塗布
矯正ワックスで刺激部分をカバー
口の中の粘膜は治癒力が高いため、通常は数日で自然に治ります。
4. トラブルを防ぐためにできること
硬いもの（氷・ナッツ・おせんべいなど）を噛まない
粘着性のある食べ物（キャラメル・ガムなど）を避ける
歯磨きは優しく丁寧に
異変があれば早めに歯科医院へ連絡
矯正装置は精密な医療機器です。無理に触ったり、自分で直そうとすると治療の進行に影響します。
まとめ
矯正中の装置トラブルは、誰にでも起こりうることです。
大切なのは、慌てず・清潔に・早めに連絡すること。
応急処置を覚えておくことで、痛みを軽減し、治療をスムーズに続けることができます。
もし装置が取れたり、ワイヤーが刺さってしまった場合は、自己判断せず、当院までお気軽にご相談ください。
迅速に対応し、安心して治療を続けられるようサポートいたします。